不当解雇 その5 【会社側の答弁書】

■平成22年5月初旬
労働審判の申し立てに対する、会社側からの答弁書が提出された。

『開いた口が塞がらない』とは、まさにこの事を言うんだろう。
会社側は、ある調査会社に依頼して作成したボクに関する調査報告書(いわゆる経歴調査ってやつ?)を証拠として提出した。
調査会社の作成した調査報告書には、
 (1)ネコポンは前職で、○○の職位になかった。経歴の詐称である。
 (2)ネコポンは、転職理由につき、「会社からオファーがあり転職」と述べていたが、その会社に確認したところ、「ネコポンから入社希望を伝えられ、それを受け入れたもの」との話しを得た。したがって、「会社からのオファー」で転職したというネコポンの説明は、虚偽である。

 (3)ネコポンは、△年から△年まで塾の講師のアルバイトをしていたが、職務経歴書に記載がない。経歴詐称である。
って内容のことが書いてある。
それをもって会社側は、(1)〜(3)より、ネコポンは、入社時、経歴をいつわったり、虚偽申告をしたから、経歴詐称に該当し、解雇は当然である、って裁判所で答弁したんだよね。

はっ?

って感じ。

(1)については、実際に○○の職位にあったし、前職のネコポンの名刺に、○○って職位が印刷されているんですけど…。
(2)については、反論するまでもないでしょ? 会社側にもう少し日本語を勉強してもらいたいと思うよ。それに、そもそも、入社の動機は、『職歴』じゃないでしょ?
(3)については、職務経歴書にアルバイトって記載しないんじゃない? アルバイトを記載していないから経歴を詐称で問答無用の即日解雇ってナニ?

証拠として前職の名刺を提出して、これらの主張をしたよ。


会社は、不当解雇通知の当日に、「調査会社の調査で、我々はネコポンの経歴詐称の確信を得た。だから、ネコポン本人に経歴詐称の事実を確認する必要も、弁明を聞くまでもなく、この場で即日辞めてもらう」って言ったんだけど、その経歴詐称って、こんなことだったんだ。
『でっち上げ』というか、『強弁』というか…
たしかにこれじゃ、解雇通知の時に、その理由を開示できないよなあ。っていうか、そもそも、解雇理由になっていないし。
会社側も裁判で勝てないのを分かってたので、あれだけ執拗に自主退職を強要してきたんだろうね。


裁判所は、この案件については、和解を勧めている。
和解案内容の概要として、提示されているのは、次の通り。
・次回期日で合意退職(解雇通知日から、次回期日まで従業員としての地位は続いている)
・解決金として、350万円
・取締役を含む全従業員に「ネコポン経歴詐称による解雇」って一斉メールを送ったことについての訂正・名誉回復措置を会社が講じる。



解決金に関しては、労働審判のケースでは、高額な方だと思う。
とはいえ、退職することが前提の和解案なので、和解を蹴って、申し立てどおり、解雇無効(すなわち従業員としての地位確認)と未払賃金の支払いを求めて、徹底抗戦するか、熟考中。
悩ましい…



あと、企業法務戦士の雑感 たぬきちの「リストラなう」日記は、お気に入りサイトで、勉強させてもらってます。