不当解雇 その24 【信頼関係】

本件、不当解雇事件については、ボクは基本的に「原職復帰」を描いていた。

理由は簡単。

そもそも、ボクには解雇される理由は何ひとつない

ということ。

ところで、労働事件の解決には、大きく2つあると思う。

1つは、ボクが求めるような『原職復帰』。

もう1つは、『金銭解決』。

金銭解決とは、要するに、労働者に●●円を支払うのと引き換えに、会社都合で労働契約を解除するというもの。

一般的に、労働審判における裁判所の基本的姿勢は、後者。

通常訴訟に移行しても、裁判所からの和解勧告は、基本的に後者なんじゃないかな?(ボクは、統計に詳しくないのであくまで推測、印象なんだけど…)。



さて、ボクの事案。

前にも述べたが、不当解雇事案としては、完全にボクの勝ち筋。すなわち、解雇は無効。

さらに、配置転換、ハラスメント等の不法行為(会社側に損害賠償義務あり)も加わってきている。

ということで、終始、強気の姿勢で裁判に臨んだ。

他方、会社側。

裁判で、一筋の光明も見えない苦しい立場。

会社は、某商社の子会社で、取締役らは、親会社商社からの出向。

この「出向」の意味することは、みなさんもお分かりのことと思う。

商社で使えない人間・役に立たない人間が、外に弾き出される先が、このような子会社であることは、周知の事実。

そのような人間が、出向先で問題を起こし、裁判で敗訴、となったら…。

ご愁傷様としか、言いようがない事態になるだろうが、ドライな言い方をすれば、それはその人らの自業自得。まあ、自己責任ってやつだが。

そんなワケで、会社側(というか、親会社からの出向者であるある取締役)は、敗訴を避けるために必死になるのも容易にうなづける。

案の定、会社は、弁論準備で、裁判官を通じて和解案を提示してきたよ。



ボクの答えは、シンプル。

「和解は考えていません。訴状、請求の趣旨記載のとおり、解雇無効の判決を求めます。」

そう答えるだけの、簡単なお仕事^^



とはいえ…。

すべての訴訟における指揮権、裁量権は、裁判官にある。

どんなに勝ち筋の事案であっても、我を通して、裁判官の心象を悪くすることだけは、避けなければならないのが、裁判の鉄則。

実は、それまでのいくつかの会話の中で、ボクの担当裁判官に対する信頼は、かなり高まっていた。

同時に、(会社の人間もこの日記を見ているので、表現に配慮するが)担当裁判官の、ボクに対する信頼も、かなり高まっていたのは事実であろう。裁判官から、複数の光栄な言葉を頂いたりもした。

ボクの気持ちを動かしたのは、裁判官からの次の言葉だった。

会社からの和解案提示に、原職復帰を希望すると伝えたときの、裁判官の言葉。

「気持ちはわかります。でも、会社に戻ったとしても、社会経済的には、大きな損失なんです。ネコポンさんの実力をもっと発揮できる場は、他に多くあります。」

…続く